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2008年11月18日
世界を動かすユダヤ人から学べ

私がNYで起業した時の最初のお客さんは、5番街でクリニックを持つユダヤ人医師だった。公私共にお付き合いをし、随分とビジネスに関して教わった。

数年前に再会した時のことだ。私が事業に失敗し倒産したことを話すと、彼は言った。

「失敗して、これでやっと我々の仲間入りだ。偉大な実業家は必ず失敗をしている。これで君も実業界で博士号を取ったのだよ」と。

失敗なくして、事業の成功はないと言うわけだ。日本では失敗したことで、まるで罪人のように手痛い烙印を押されるが、歴史的に様々な迫害を受けながらも、気丈で頼もしいユダヤ人らしい言葉だと感じた。

ユダヤ人といえば「銀座のユダヤ商人」の異名をとる日本マクドナルドや日本トイザらスの創業者藤田田さんを思い出す。残念ながら、2004年に亡くなられたが、事業に成功しただけではなく「ユダヤの商人」等のベストセラー本を出し、ソフトバンクの孫正義さんをはじめ、多くの起業家から「金儲けの天才」として尊敬されていた。

その藤田さんから亡くなる前年に直筆の手紙を頂いた。私はそれを遺言のように大切にしている。マクドナルドの便箋に、細かい字がびっしりと詰まっていた。そこには

「NYでビジネスをするのは、ご苦労が多いと思います。
が、事業は1人では出来ません。良いユダヤ人と組んで事業を進める事です。
日本人はアタマがユダヤ人のように働きません。ユダヤ人は賢明です。

事業は私のモットーである”勝てば官軍”です。
アメリカは日本と違ってパートナーシップが発達しています。
広い心を持ってパートナーと組むべきです。
又最初から大物を狙い事業を進めるべきで、小物を狙うのは容易ですが大成は望めません」と書かれている。

そして「アメリカは知恵があれば事業拡大しやすい国です。
日本の様にネタミとかヤッカミがありません。
大いに頑張り石に、かじりついてもやり通す強いに人なってください」と結んであった。

金融、メディア、法律、医療に強い勢力と影響力を持つユダヤ人。
彼らは金を道具として考えている。
だからこそ、誰はばかることなく正々堂々と金儲けに徹することができる。

日本人の私は時折、長年の友人でもそのドライな金銭感覚に舌を巻いてしまうことがある。

そもそもユダヤ人とは?という疑問を持ち、ユダヤ人を知りたくて、湾岸戦争の翌年に、イスラエルのテルアビブ大学に留学したことがある。
クラスメートの親は、弁護士、医師、会社社長だらけ。勉強をしてないように見えたが、皆優秀でびっくりした。

ユダヤ人は、人種ではなく、ユダヤ教を信仰する者(宗教集団)、あるいはユダヤ人を母親にもつ者(民族集団)という2つの捉え方がある。多くの大企業の設立者や天才科学者にユダヤ人がいる(ロスチャイルド、アインシュタイン、スピルバーグなど)。

しかし、優秀がゆえに疎まれて、第2次世界大戦時ではナチに大虐殺を受けたという悲しい歴史もある。

日本だと日本のマナーを気にするが、NYにいるなら世界レベルでやりたい。
何といっても、そういうものに身近に触れられるのがNYの醍醐味だ。
NYはユダヤ人だらけ。せっかく、NYにいるのだから世界のビジネスの最先端を行く人々の術を盗んだほうがいい。ユダヤ人のしたたかさ、合理性、国際感覚、倫理観を学びたいものだ。

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板越ジョージ
http://amedori.exblog.jp/

東京・葛飾生まれ。在米20年。中学3年間はジャニーズJr.。
高校卒業後、バイク便で留学費を稼ぎ、単身渡米。サウスカロライナ大学国際政治学部卒業。
在学中にバックパックを背負い世界35カ国を放浪。イスラエル、ロシア、チェコ、グアテマラにも留学。
95年に広告代理店業イタショーアメリカを創業。7つの会社を経営し、株式公開直前までいったが、
9・11の影響で沈没。多額の借金を背負った。

現在は、アメリカン★ドリームパブリッシングなど3つの会社とNPO法人をNYと東京で営む。
著書に「とにかくどこかの会社にもぐりこむための77のヒント」、
週刊SPA!の3年半の連載をまとめた「リベンジ人生道場」(扶桑社)等。
9・11直後に発刊した「グラウンド・ゼロ」は全国ベストセラーにランキングした。