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2006年04月11日
[スポーツライター上村智士郎の業界人独り言] 第35回 ◆金本選手の世界記録に想う。

9日、阪神の金本知憲がプロ野球の連続フル出場904試合の世界記録を達成して盛り上がっている。99年7月以来足掛け7年に渡る大記録だ。この間彼はすべての試合で、1回から9回まで時には延長もすべての打席に立ち、守備についたのだ。しかも03年には十年以上プレーした広島から阪神への移籍という大きな環境の変化もあった。それに関わらず彼は主軸打者として活躍し続け、特にこの2年は打率3割以上の好成績を残している。今年38歳を迎えた肉体は今なおレベルアップし続け、アスリートとして充実している様子が窺い知れる。

このような肉体を維持するために、本人も普段から人一倍体のメンテナンスに気を遣っていることだろうが、それと同様に大切なのは、そのための正しい知識と技術を持っている人に出会えたことである。肉体の調整には色々な理論があり、その中でその個人に合う合わないも大きなポイントがある。さらにその調整方法がそのスポーツに合っているのか? これも大きな要素だ。報道によると金本にはデビュー以来お世話になっているトレーナーがいるそうだが、そうした出会いが彼の今の肉体を支えていることに違いない。

いくら鍛えても、間違った情報の上に成り立ったトレーニングでは、逆にそのスポーツに必要とされるエネルギーを発揮することができなくなり、怪我を多発させ選手寿命を短くする。体を大きくすることに力をおいたトレーニングで、持ち前の俊敏性を失ったサッカーの“カズ”こと三浦和良もその一人だ。自分を追い込むことで試合に向かうコンディションとモチベーションを作ってきた彼にとって、それは当然の結果だったのだろう。だが一時の彼のプレーは走るのも体が重そうで、動きにもキレをまったく感じられない。それは単に加齢によるものとは言い切れないものだった。幸い今は修正し、“軽い”体で軽快なプレーを見せている。怪我も一時より減ったようだ。そう言えば三浦も金本と変わらぬ39歳という年齢だ。

一方、その間違いに気付いていないのか、気付いても修正の方法が分からないのか? それがオリックスの清原だ。いくら身長が190センチ近いとは言え、100キロを超える肉体を作る必要はない。それどころか下半身が悲鳴を上げ、足の関節の故障が慢性的になっている。彼はメジャーリーグのかつてのホームラン王、巨漢マグワイヤに憧れたとも伝えられるが、これだけ怪我が続けば自分の体に合っていないことに気付くべきだろう。メジャーリーグのホームランバッターでも、細身の選手はたくさんいる。また金本を例にあげるまでもなく、長く活躍する選手は概してスマートだ。彼にそうした間違い忠告する人物が彼の周りにはいないのだろうか? それもまた出会いである。