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2005年12月07日
[スポーツライター上村智士郎の業界人独り言]◆ 第20回 「ガンバ大阪優勝に思う」

 12月3日Jリーグ最終節が行われ、1週間前まで首位に立っていたガンバ大阪が、再び逆転で初のJリーグ王者の栄冠を勝ち取った。
 私は、かすかに優勝の望みがあったジェフ千葉の試合を会場で観ていたために、ガンバ大阪の初優勝の瞬間に立ち会うことは出来なかったが、映像を通して見た彼らの姿は、神々しくまた感動的だった。
 特に主将宮本の涙は感慨深いものがあった。
 彼はあれでまた女性ファンを増やしたのだろう。
 このメルマガの編集責任者(?)の堀江女史も「サッカー好きの男友達にはミーハーとバカにされつつもここ数年、クレヴァーな宮本選手が好きだったので、嬉しかったです(笑)」とメールをくれた。
 Jリーグのスタンドを華やかにするのに彼は大きく貢献しているのだと、今更ながら再認識したりした。
 だが私が宮本以上に気になったのは、西野朗監督だ。
 98年に柏レイソルの監督に就任して以来、レイソルで5シーズン、今のガンバで4シーズン目の初優勝だ。
 会場にいなかったために彼の詳しい様子の窺い知ることは出来なかったが、感じやすい彼のことだから、きっと宮本以上に号泣していたに違いない。

 柏の監督時代、CMのキャッチコピーから“ミスター”と呼ばれた(今も呼んでいる人もいるが)端正な風貌。
 その外見とは裏腹にいつもユーモアに飛んだ楽しいトークで選手ばかりか記者たちまでのハッピーにしてしまうような人柄で、選手たちにからいい兄貴分的に存在として慕われている。
 その一方で現役時代からメンタル的な弱さは指摘されていて、ガンバの終盤の躓きも監督である彼自身が感じているプレッシャーが、選手に伝播したものだという意見が多かった。

 忘れてはいけないことがある。西野監督は、ジュビロ磐田の山本監督と並び、日本人監督で最も日本代表監督の座に近い人物なのである。
 96年のアトランタオリンピック時、五輪代表監督として30年ぶりの五輪出場に導き、本選では「マイアミの奇跡」と言われた絶対王者ブラジルから勝利をもぎ取る快挙を果たした。
 その功績を受け期待の中でJリーグチーム監督。
 その肩には想像以上に多くのもの乗っかっていたに違いない。この優勝でその重荷の一つが下ろせたかもしれない。

 優勝の余韻に浸るまもなくガンバは次の戦いに臨んでいる。次は天皇杯だ。そして来シーズンへの道も始まっているのだ。
 今年攻撃の中心として、リーグ得点王にもなったアラウージョがチームを去ることが既に発表されている。
 そうした中、Jリーグ優勝監督として始まる西野監督のこれからに、注目していきたいと思っている。


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●上村智士郎 さん●

Jリーグチームの応援番組の演出や、CS放送のサッカー中継のディレターを手がける一方、サッカー 専門誌をはじめ各種スポーツ雑誌、スポーツ紙、インターネットサイトに記事を掲載。またスポーツ系インターネットサイトや選手のホームページのプロデュースも行う。現在は女性向けスポーツ情報フリーペーパー「ABUSOLUTELY SPORTS」をプロデュース。

S.blend Inc 代表取締役

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