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2005年12月01日
[スポーツライター上村智士郎の業界人独り言]◆ 第19回 「12月3日はJリーグに注目」

 12月3日、今年のJリーグが終わる。この最終節を前に、勝ち点2差の間に5チームがひしめき、その5チームすべてに優勝の可能性がある。
 もちろん、こんなことはJリーグ始まって以来のことだし、世界的に見ても珍しい。

 Jリーグは昨年まで2シーズン制だった。前期のファーストステージ、後期のセカンドステージに分け、それぞれの優勝チームがチャンピオンシップで戦い、その勝者が年間チャンピオンになった。そうすることがスポンサーを数多く獲得できる方法の一つだったのだが、強い一部のチームだけが独走し、リーグ戦の後半で興味がそがれることを防ぐという建前も理にかなったものだった。その2ステージ制が無くなったのは、一昨年、昨年と2年に渡って、前後期で同じチームが優勝し、チャンピオンシップが行われなかったからだ。これではチャンピオンシップの冠スポンサーが浮かばれない…。
 そうして今年から始まった1ステージ制だったが、序盤は関係者の不安が的中するような展開だった。春先首位に立ったのは2001年に以来4年ぶりの優勝を目指す鹿島アントラーズ。現役時代世界的な名選手だったトニーニョ・セレーゾ監督の6年目であり最後となるシーズン。課題だった世代交代にも成功し、言わば予定通りの首位だった。5節に首位に立った後21節まで実に5ヶ月に渡ってその座を守り一時は独走態勢になった。だが夏に入ると勝ち切れない試合が続き失速。致命傷だったのは攻撃の要、小笠原の欧州移籍話だった。
 続いて22節から首位に立ったのはガンバ大阪。こちらも西野朗監督の4年目のシーズン。日本代表キャプテン宮本中心にした生え抜きに加え、ここ2年効果的な選手獲得で、優勝を狙うに十分な戦力が整い、今期も一時は優勝トロフィーを初の箱根越えさせることは間違いと思えた。だが、シーズンが終わりに近づくにつれ連敗。明らかに優勝に対するプレッシャーが彼らの力をダウンさせたのだ。
 上位が失速する中、リーグ後半になって調子をあげ、7連勝も含め15試合負け知らずでついに最終戦を前に首位に立ったのがガンバを同じ大阪勢のセレッソ大阪だった。ベテランフォワード森嶋に牽引させる攻撃陣と手堅い守備が好成績を生んできた。
 さらに人気チーム浦和レッズと2、3年で力をつけ今年のナビスコカップで優勝したジェフ市原が虎視眈々とチャンスをうかがっていた。
 現在首位のセレッソ大阪は勝ち点58。1点差の57で追うのが2位のガンバ大阪、さらに勝ち点56に浦和、鹿島、千葉の3チームが得失点差で並んでいる。Jリーグの勝ち点は勝利チームに3が与えられるので、大阪の2チームの結果次第で、関東の3チームにも十分にチャンスがあるのだ。3日はこの5チームの試合を含め全試合が14時に同時にキックオフされる。まさに「用意ドン!」で運命の試合が全国の会場でスタートされるのだ。2時間後にどのチーム勝利の女神が微笑むのか? 12月3日の午後はJリーグがお勧めだ。

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●上村智士郎 さん●

Jリーグチームの応援番組の演出や、CS放送のサッカー中継のディレターを手がける一方、サッカー 専門誌をはじめ各種スポーツ雑誌、スポーツ紙、インターネットサイトに記事を掲載。またスポーツ系インターネットサイトや選手のホームページのプロデュースも行う。現在は女性向けスポーツ情報フリーペーパー「ABUSOLUTELY SPORTS」をプロデュース。

S.blend Inc 代表取締役

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